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表現と家族をサポート おぎゅう行政書士事務所のブログ

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私的自治の幸福

日本は法治国家です。
青信号になったら横断歩道を渡っていいのも、毎月税金を納めるのも、
有給休暇がもらえるのも
みんな法律。法律は、みんなが選んだ国会議員が審議して決めています。

こんなことで離婚なんかできませんよね?法律で決まってないですよね?
というようなご質問を受けることがあります。
法律違反になるんだから、妻に戻ってこいよと言ってもおかしくないですよね?
と、問われたことがあります。


戸籍法は
いわば国民のデータベースを作るための約束事なわけで
当然厳格にきまったルールが杓子定規的に定められているために
だからこそ法の基準から外れてしまう出世児のことなどで、
今、問題になっているのですが

そのデータベースに記載されている家庭、
婚姻関係においては
お財布は奥さんに持たせなければいけません
とか、
部屋を汚くした人は罰せられます
とか、
そんな定めは法律ではないわけです。
当たり前といえば当たり前なのですが、
当たり前すぎて、それに気づかない方がいらっしゃるようです。

国家権力が家庭にまで入り込まず、
家庭の自治を尊重するという法の姿勢は
過去の辛い日本の歴史を思い返せば、
原則的にはとてつもなく幸せな立法趣旨ではあるはずなのです。


法律で夫婦はこうじゃなくてはいけませんよね!

と、おっしゃる方の言葉の本音は
ご自身では相手の方を説得しかねているから、
法律という強制的手段で思う方向に向いてもらいたいというお気持ちや
相手を罰したい
法律という巨大な権力の後ろ盾がほしい
というお気持ちがあるように見受けられます。

でも、
大原則としての夫婦のあり方は、
憲法でも唱えられてはおりますが、

第24条 婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。
2 配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない。

と、壮大なスローガンとなっております。
決して、罰金などが発生するような画一的な強制は何一つないのであります。
家庭はそれぞれさまざまであってよいのです。


法律では、法律では、法律では、、、、

たしかに
法律で定められていることはありますが、
スピード違反したら罰になりますという法律とは違うのです
家庭の姿、夫婦の姿に、定められた姿などないわけです。

夫婦で仲直りしたい!
と、思っていらっしゃるのなら
法律では!
なんて、前置きはおかず
私は!
と、ご自身のお気持ちを表明していただきたいと思います。
そうしなければ、
お互い人間。気持ちも伝わりません。
どうか照れずに、気負わずに
私は!あなたは?
という問いかけを重ねて、あなたでしか作り上げられない家庭を
熟成させていっていただきたい。。。。

お悩みになっている方のお話を伺うたびに、
未熟者の私であるのですが、
恐れながら、そう、思わずにはいられないのです。
by ogyuyoko | 2008-05-14 23:08
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